公正取引委員会:飲食店ポータルサイトに関する取引実態調査

令和2年3月18日、公正取引委員会が、飲食店ポータルサイトに関する取引実態調査の結果を公表しています。

飲食店ポータルサイトに関する取引実態調査報告書(概要)

1 一方的な契約内容の変更

■ 優越的地位にあるサイトが飲食店に対して、契約内容を一方的に変更し、不当に不利益を与える場合には、優越的地位の濫用となるおそれ。

-1 検索結果の表示順位

-2 店舗の評価(評点)

■ 表示順位、店舗の評価(評点)を落とすことが直ちに独占禁止法違反となるものではないが、有力な飲食店ポータルサイトが合理的な理由なく、恣意的にルール(アルゴリズム)を設定・運用し、特定の飲食店の表示順位や店舗の評価(評点)を落とすなどし、

  • 他の飲食店と異なる取扱いをし、特定の飲食店が競争上著しく不利になるなどの場合には、差別取扱いとなるおそれ。
  • 自らのサイトにとって都合のよいプランに変更させるなど、飲食店に対して不当に不利益を与える場合には、優越的地位の濫用となるおそれ。

3 飲食店舗情報の 掲載や口コミ

■ 店舗情報や口コミについて、修正・削除しないことが直ちに独占禁止法違反となるものではないが、

  • 加盟店でない飲食店といった特定の飲食店からの修正依頼には対応しないなど、加盟店と異なる取扱いをし、特定の飲食店が競争上著しく不利になる場合等には、差別取扱いのおそれ。
  • 修正に応じる条件として、不当に自らのサイトの加盟店となるよう強制する場合には、 抱き合わせ販売等となるおそれ。

4 予約管理システムの 利用制限

■ 有力なサイトが合理的な理由なく、予約管理システム提供事業者からのアクセスを遮断し、公正な競争秩序に悪影響を及ぼす場合には、取引妨害となるおそれ。

■ 有力なサイトが予約管理システムを提供する特定の事業者を著しく不利に扱い、その事業者が市場から 排除されるなどする場合には、差別取扱いとなるおそれ。

5 潜在的な競争者

■ 一般的な検索エンジンを提供する有力な事業者が、自社サービスを有利に表示するなどにより、競合するサイトが市場から排除されるなどする場合には、取引妨害、私的独占となるおそれ。

 

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